熊本地震の復旧工事と地震対策、瓦屋根の耐震工法とガイドライン工法について

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  2. 瓦屋根と化粧スレート・金属屋根の経済性(節約)と快適性や耐久性の三大比較、瓦屋根のコストパフォーマンスについて

屋根材の種類と耐久性・耐用年数


屋根材には様々なタイプがありますが、その中でも一般的に使用されているのは【陶器瓦(粘土瓦)】【化粧スレート】【金属】の3種類になります。

【陶器瓦―耐用年数60年】

屋根材の陶器瓦、瓦屋根

屋根材・陶器瓦(粘土瓦)

屋根材のいぶし銀の陶器瓦、瓦屋根

屋根材・いぶし銀の陶器瓦(粘土瓦)

釉薬瓦・いぶし瓦などは粘土を使った焼きものの屋根材で、表面に釉薬が塗られているのが『釉薬瓦』、 焼成方法によって発色させるのが『いぶし瓦』などになります。表面は強く、色味に関しては半永久的にメンテナンスがいりません。 いぶし瓦においては、年月とともに深い味わいが出てきます。 瓦には青色や緑色などもありますが、これは塗装しているのではありません。 色が付いている瓦は『釉薬瓦』になります。『釉薬瓦』はどのような色でも表現できます。 赤褐色、緑、グレー、など思いのまま。陶器と同じ手法で1100度以上の高熱で焼き付けているため色落ちすることもなく、 再塗装などのメンテナンスも不要で『いぶし瓦』と同じく耐久性やコストパフォーマンスに優れています。


【セメント系―耐用年数30年】

屋根材の化粧スレート・コンクリート瓦

屋根材・化粧スレート

屋根材の腐食した化粧スレート・コンクリート

屋根材・腐食した化粧スレート

化粧スレート・セメント瓦などがあり、セメント、ケイ酸質原料などを用いて、加圧成形した板状の合成スレートに着色したもので、 施工しやすいのが特徴です。以前は不燃性を保つ為、石綿(アスベスト)を使用していましたが、 現在では人口繊維や天然繊維を使用した無石綿の物に変わっています。


【金属―耐用年数30年】

屋根材の鋼板のガルバリウム鋼板・カラー鉄板、非鉄金属の銅板・アルミ合金板

屋根材・金属屋根

屋根材の鋼板のガルバリウム鋼板・カラー鉄板、非鉄金属の銅板・アルミ合金板

屋根材・錆びた金属屋根


鋼板のガルバリウム鋼板・カラー鉄板、非鉄金属の銅板・アルミ合金板などの種類があり、 加工しやすく施工性がよいことから複雑な屋根形状ができ、最近ではモダンなデザイン性から、 ガルバリウム鋼板の金属屋根が多様されています。




屋根材の種類による快適性・断熱性・通気性による冷暖房費の節約


昔とは違い地球温暖化の影響により真夏の期間が長期化し、気温も年々高くなっています。 又、夏だけではなく冬も寒さが厳しくなっています。ここ数年、日本の冬は異例の大雪や全国的な寒波に見舞われています。 夏も冬も快適に過ごせるように、冷暖房費のコスト等も含めて、どのような屋根材が適しているのか比較していきます。


屋根材の種類による快適性・断熱性・通気性による冷暖房費の節約資料

陶器瓦と化粧スレートの小屋裏温度比較

屋根材の種類による快適性・断熱性・通気性による冷暖房費の節約資料

陶器瓦と化粧スレート・金属屋根の空気層



◯陶器瓦と化粧スレートの小屋裏温度比較

真夏のギラギラとした直射日光にさらされた屋根温度はとても高温になります。外気温が35度のときには、屋根温度は60度から70度にもなり、その熱は小屋裏を通って室内に伝わります。その為、屋根の真下にある最上階の部屋はエアコンが効かないほどの暑さになってしまいます。

陶器瓦は金属や化粧スレートなどの屋根材に比べて素材自体の断熱性が高い事が特徴です。小屋裏(天井から上)の温度上昇を抑え、小屋裏温度は金属や化粧スレートより平均7度から8度も低くなります。
夏場に2階が暑くてたまらない場合、金属や化粧スレートの屋根を陶器瓦に葺き替えただけで『涼しくなった』という声をよく聞きます。 また冬場は、日中に瓦に蓄えられた熱が日没後の温度低下を緩やかにしてくれます。


◯瓦屋根と化粧スレートの空気層

金属や化粧スレートなどの屋根材は下葺き材を貼った野地板の上に屋根材をそのまま留めつけるため、隙間が無く湿気がこもってしまいます。この結果、野地板にはシミやカビが発生し、腐食していきます。

瓦屋根は野地板と瓦の間の空気層が通路となり、瓦の隙間こら湿気を逃すため、建物を傷める結露の発生を防いでくれます。
通気する屋根構造で、住宅も長持ちさせることができます。


屋根材の種類による快適性・断熱性・通気性による冷暖房費の節約資料

陶器瓦(粘土瓦)の屋根断面の熱流

屋根材の種類による快適性・断熱性・通気性による冷暖房費の節約資料

スレート・金属屋根の屋根断面の熱流


◯陶器瓦の屋根断面の熱流
◯化粧スレート・金属屋根の断面の熱流


屋根材の熱流も重要です。 陶器瓦の方は瓦と野地板の間に桟木による空気層があります。 空気層があると熱が届く量が少なくなり、室内の温度変化も少なくなります。温度変化が少ないほど室内は快適になります。

又、空気層があると放射冷却による野地板の温度低下を低減し、建物を傷める大きな原因である 『結露』を防止してくれます。 さらに断熱効果も高くなります。
湿気が多いと木材を腐らせてしまうため木造建築では湿気コントロールが必要です。湿気は雨だけではなく、 日常生活において常に発生して温度と共に屋根へ上がります。
瓦屋根の構造は、瓦と野地板の空気層が通路となっているため、瓦の隙間から湿気を逃すことができ、 建物を傷める原因である『結露』と野地板の腐食を防ぎ、住宅の耐久性を高めます。

耐熱性・断熱性に優れる瓦屋根は、熱さにも寒さにも強く、湿度までコントロールする特性から、室内を暖房した場合の保湿効果も違います。 快適なだけではなく、効果の違いから冷暖房にかかる費用も節減・節約もでき経済的な屋根材になります。


屋根材の種類による騒音の吸音率と遮音性の違い、騒音レベルの比較


瓦屋根の遮音性・騒音レベル

瓦屋根の遮音性・騒音レベル

屋根材の違いによる騒音の吸音性

屋根材の違いによる騒音の吸音性

瓦には遮音性があり、スレートや金属屋根で気になる激しい雨音などの問題はありません。これは粘土瓦のすぐれた防音性能です。 屋根材の違いによる【騒音の吸音率グラフ】を見ていただけるとわかりますが、 人間の耳で感度の高い1600Hzで瓦は0.58という高い吸音率を示し、優れた遮音効果が確認されています。

以下は騒音レベルのだいたいの目安になります
※降雨時(小雨)の室内騒音レベルはだいたい40dBから50dB

― 40dB ―
ささやき声、小雨の音、閑静な住宅街、換気扇
― 50dB ―
小さな会話(声)、静かな事務所、木々のざわめき、博物館
― 60dB―
普通の会話(声)、チャイム、静かな乗用車
― 70dB ―
騒々しい事務所、掃除機、電話のベル、蝉の鳴き声、夕立、電車内

人間の感覚尺度(音量の感じ方には個人差があります)になりますが、騒音レベルで10dB上がると、 音の大きさはだいたい2倍以上になります




新築での瓦屋根(陶器瓦)と化粧スレート・金属屋根(板金屋根)の初期コスト比較


陶器瓦(石州・三洲・淡路)
屋根面積8,000円/m2として約80万円から

化粧スレート・板金屋根・セメント瓦・コロニアル等
屋根面積5,000円/m2として約50万円から

金額はあくまでも目安になります


上記の資料は屋根面積100m2の場合で比較しています。 化粧スレート・金属屋根(板金屋根)の約50万円に比べ、瓦屋根の方が約80万円と高額で、 約30万円高く、初期費用の面では化粧スレート・金属屋根(板金屋根)の方がコストパフォーマンスに優れています。


新築での粘土瓦(石州・三洲・淡路)のメンテナンス費用


〇10年後→メンテナンス・点検
〇20年後→メンテナンス・点検
〇30年後→メンテナンス・点検


地域の気候風土により多少の違いはあり、 製品によっても色あせのような劣化が若干見られると思いますが、機能(性能)的には何の問題もありません。 陶器瓦はスレート・金属屋根と違い塗装されていません。釉薬を焼き付けたり燻化により炭素膜を作り色を出しており、 ガラス質でしっかりと保護されているため経過による色落ちはほとんどしません。その為、塗り替えコストがかからず経済的です。 基本的には最低30年はメンテナンス不要で、瓦自体は半永久的に使う事ができます。
ですが、漆喰部分にはメンテナンスが必要になります。 又、大型台風や地震等の自然災害による瓦の破損(物が飛んできた時に瓦が割れるなど)や、 瓦のズレ等の支障が起こる可能性があり、放っておくと雨漏れの原因になります。

その為、岡本シンホウ産業では2年から3年毎の定期点検をお勧めしております。 瓦の場合は、割れてしまっても一枚からの差し替えが可能ですので、メンテナンスのコスト面でも優れています。 点検は20km以内は無料で行なっています。
ご質問、ご不明な点がありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
詳細は以下のURLからご覧下さい。

耐震構造点検・雨漏り点検ページ

お気軽にお問合せください


新築での化粧スレート・板金屋根・セメント瓦のメンテナンス費用


〇10年後→塗装+足場=70万(屋根面積7,000円/m2として)
〇20年後→塗装+足場=70万(屋根面積7,000円/m2として)
〇30年後→塗装+足場=70万(屋根面積7,000円/m2として)
金額・年数はあくまでも目安になります


化粧スレートや金属の屋根材などの比較的安価な屋根材は塗装されています。 数十年と紫外線にさらされる事で屋根の退色や錆びによる腐食などの劣化がはじまります。 化粧スレートや金属屋根は塗装によって腐食を防止し、劣化による雨漏り対策を行い、屋根材としての機能を保っています (化粧スレートや金属は約5年から15年で退色します) その為、約10年毎にメンテナンス塗装が必要になってきます。 30年経過すると化粧スレート(コロニアル)・板金屋根・セメント瓦の耐用年数からもわかるように、 劣化による葺き替えが必要になる場合もあります。


化粧スレート・板金屋根・セメント瓦・コロニアル等から瓦屋根への葺き替え料金


陶器瓦(石州・三洲・淡路)への葺き替え
〇約80万円から(屋根面積8,000円/m2として)
〇屋根材の撤去及び処分費用は約30万円から
〇約80万+約30万=合計約110万円から

屋根材の撤去及び処分費用を含めますので初期費用よりも高くなります。
金額はあくまでも目安になります


※重要※
陶器瓦は他の屋根材より重量が重くなりますので、建築基準法でもありますが建築物自体に耐震性【土台、柱、耐力壁等】が必要なので 住宅の耐震構造にも考慮して陶器瓦を葺き替えするのか慎重に選ぶ必要があります。
建築基準法の耐震基準の改正により、しっかりとした土台の構造へ、住宅・建築物の耐震化、耐震の普及率が進んでいます。 住宅の基礎や主要構造が法律通りに作られていれば、重量のある陶器瓦でも、耐震性が損なわれることはないとも言われています。 瓦屋根の耐震については、以下の瓦屋根の耐震工法とガイドライン工法ページをご覧ください。

瓦屋根の耐震工法とガイドライン工法


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